きのこは人工栽培のおかげで一年中手に入るため、
身近なきのこで季節を感じる機会は少ないと言えるでしょう。
とはいえ、秋には一株まるごとのマイタケやぷっくりとしたホンシメジ、
フリルのようなハナビラタケなど、珍しいきのこがデパートやスーパーマーケットにお目見えします。
きのこはカビの仲間ですが、種類が豊富にあります。
それだけに、きのこ選びには注意が必要です。毒があるものもあるからです。
今回はそんな、きのこについて詳しくご紹介していきます。
きのこはカビの仲間って本当?
秋は、きのこがおいしい季節です。鍋料理や炊き込みごはんなどにしてよく食べますね。
きのこは、漢字で「木の子」と書きます。きのこは、本当に木の子供なのでしょうか?
じつは、きのこは「菌類」というカビと同じ仲間です。
きのこの本体は、「菌糸」という白い糸のようなもので、
地面や枯れ木の中で暮らしています。このときの菌糸は、
糸が集まったワタアメの様な姿をしています。
菌糸は、木の根や枯れ木から栄養を取り入れて育ちます。
そして、子供を作る時になると、きのこを作るのです。
昔の人が、枯れ木から急に出てきたきのこを見て、
木の子供だと思ったのも当然かもしれません。
十分育ったきのこは、子供を作る時期になると「胞子」という粉を飛ばします。
胞子は風に乗って飛んでいき、枯れ木や地面にたどり着くと、
芽を出して、やがて菌糸になります。
きのこはこのようにして、子供を増やします。
菌類にとって、きのこは花、胞子は種のようなものなのです。
きのこにはたくさんの種類がある。
秋に山に行くと、いろいろなきのこを見つけることが出来ます。
日本には4000〜5000種類ほどのきのこがあると言われていて、
そのうち100種類ほどが食べられるきのこ、40種類ほどが毒きのこで、
ほかのほとんどは、毒があるかどうか分かっていません。
毒きのこを食べると、お腹が痛くなったり、吐いたり、下痢になったりします。
ひどい時には死んでしまうこともあるので、きのこを見つけても絶対に食べてはいけません。
また、触っただけで肌が腫れるきのこもあるので、むやみに触らないようにしましょう。
代表的な食べられるきのこをご紹介します。
【マツタケ】10〜20センチ
きのこの王様と言われています。たいていのきのこ類は人工栽培されているのため、1年中食べることができますが、マツタケはその技術が確率されておらず、天然物の数も少ないので貴重な秋の珍味として楽しまれています。香りが消えてしまうので水洗いはしないのが調理時の特徴。
【シメジ】約6センチ
「かおりマツタケ、味シメジ」と言われるように、味の良いきのこです。コナラなどの林に生えています。
【ハツタケ】4〜17センチ
マツの林に生えます。秋早く、ほかのきのこより先に生えるので、この名前がついています。
【クリタケ】3〜8チンチ
クリやナラの切り株や枯れ木に生えています。味の良いきのこです。
【シイタケ】6〜10センチ
春と秋に、クヌギ、ナラ、シイ、カシなどの切り株や枯れ木に生えます。
【マイタケ】20〜30センチ
クリやナラなどの大きな木の根元に、たくさんのかさが重なり合って生えています。歯ざわりが良く、美味しいきのこです。
【ナラタケ】5〜15センチ
夏から秋に、枯れ木に生えます。世界の多くの国で食べられているきのこです。
【ホウキタケ】約15センチ
広葉樹林に生えます。ネズミタケとも呼ばれます。
【ナメコ】2〜10センチ
秋から冬にかけて、ブナなどの枯れ木に生えます。ぬめりのあるきのこです。味噌汁の具にしたり、大根おろしと和えたりして食べます。
【ショウロ】1〜5センチ
4月、5月頃に、海辺のマツの林の砂地に埋もれて生えます。香りが良く、おいしいきのこです。すいもの、和え物、煮物、揚げ物などにして食べます。
【ハラタケ】5〜10センチ
夏から秋に草原などに生えます。マッシュルームに似ています。
【シャカシメジ】1〜3センチ
ナラやクヌギなど、雑木林に生えます。ホンシメジより早く生えます。かたまり状の株から、小さいきのこが沢山生えます。
日本の毒キノコ一覧をご紹介
毒のあるきのこ
【ツキヨタケ】10〜25センチ
シイタケやハツタケに似ていますが、強い毒のあるきのこです。ブナの枯れ木に生えることが多く、かさのひだは、暗いところで光ります。
【イッポンシメジ】5〜15センチ
雑木林に生えるきのこで、シメジに似ていますが、毒があります。
【タマゴテングタケ】7〜15センチ
夏から秋にかけて、林の中の地面に生える毒のあるきのこです。はじめ、卵型をしていて、やがてかさが開くので、この名前がついています。
【ベニテングタケ】10〜15センチ
夏から秋にかけ、深い山奥の林などに生えます。毒のある大きなきのこで、紅色の傘の表面に白いイボがあり、目立ちます。
【テングタケ】5〜25センチ
夏から秋にかけ、マツの林などに生えます。毒のある大きなきのこです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
秋はきのこの他にも、虫の鳴き声に聞き入ったり、美味しい食べ物に舌鼓をうったり。
少しずつ季節が移ろいでいくのを五感で感じたいところです。