秋のさんまは、塩焼きなどで食べると、とても美味しいですね。
さんまは秋が旬ですが、どうしてこんなに脂が乗っておいしいのでしょう?
秋が一番美味しいさんまの秘密と、秋が旬の他の魚たちをご紹介していきます。
秋が旬の魚、サンマの秘密とは?
日本は、周りを海に囲まれた島国です。
日本の周りには、黒潮(日本海流)や対馬海流と呼ばれる、南からの暖かい海流や、親潮(千島海流)やリマン海流と呼ばれる、北からの冷たい海流が流れています。
日本で採れるさんまは、冬を暖かい南の海で過ごし、
春から夏にかけて、北に向かいます。
そして8月頃には北海道のさらに北までたどり着き、
9月になると、卵を生むためにまた南へ向かいます。
移動しながらたっぷりと餌を食べたこの頃のさんまは、とても脂がのっています。
これを捕まえるので、秋のさんまは美味しいのです。
さんまを漢字でかくと「秋刀魚」です。さんまは、細長くて銀色に輝いています。
その姿が刀に似ていて、秋に美味しくなるので、こう書くようになりました。
秋刀魚は江戸時代から食べられていた?
日本でさんまが食べられるようになったのは、江戸時代からと言われています。
また、落語に「目黒のさんま」という、こんなお話も作られました。
■秋の日に、あるお殿様が馬に乗って目黒に出かけました。目黒に着くとちょうどお昼どきでした。そこで、近くの農家で焼いていたさんまの塩焼きを譲ってもらいます。初めて食べるさんまのおいしいこと!お殿様は、さんまを大好きになりました。
それからしばらくして、親戚の家に食事に招かれたお殿様は、「さんまが食べたい」と言いました。ところが、その家では「こんなに脂があっては体に悪い」と思い、さんまを蒸してすっかり脂を抜き、さらに骨が危ないと思って骨を抜き、だんごにして出しました。
お殿様はこれを食べましたが、ちっとも美味しくありません。それで「このさんまはどこの物だ」と尋ねると、家のものは「日本橋の魚河岸」と返事しました。お殿様はこれを聞いて言いました。「日本橋?それはいかん。さんまは目黒にかぎる」■
目黒は、海のない町で、お殿様が食べたさんまは、魚河岸から来たものです。
なのに、お殿様は、目黒でさんまが採れると勘違いしたのです。
秋の旬の魚たちをご紹介!
さんま以外の秋の魚をご紹介します。
【マハゼ】
約25センチまで成長
北海道南部から九州までの河口の泥や砂に潜っています。釣りの魚としてたしなまれています。
【ウルメイワシ】
約30センチまで成長
北海道より南の暖かい海に住み、脂肪が少なく、干物にするとおいしいです。
【ボラ】
約80センチまで成長
海で生まれたボラは2〜3ヶ月すると川をさかのぼって淡水で過ごし、大きくなると海に戻ります。成長するに従って、ハク・オボコ・スバシリ・イナ・ボラ・トドと名前が違うので、出世魚といわれます。
【マイワシ】
約25センチ
ヒラゴ、ナナツボシとも呼ばれます。また、成長するに従って、シラス・コバイワシ・チュウバイワシ・オオバイワシなどと呼ばれます。食用になる他、養殖魚の餌になります。
【カタクチイワシ】
約15センチまで成長
ヒシコイワシ・セグロイワシなどとも呼ばれます。シラス干し、たたみイワシ、煮干し、ごまめなどにされます。太平洋沿岸で採れます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
最近は、気候の変化や他国の漁業の影響も相まって、
採れるさんまの漁獲量が大きく減ってきているそう。
さんまはビタミンA、D、カルシウム、鉄分などが多く含まれているため「さんまが出ると按摩(身体をもんだり、たたいたりしてその療法を職業とする人)が引っ込む」ということわざがあるほど!
いつまでも美味しいさんまを食べ続けていきたいですね!