贈り物というと、まずお中元やお歳暮が思い浮かびます。今ではなかば形式化した習慣になっていますが、そもそもこれら贈答の習慣も、日本特有の信仰心に端を発しています。
今回は、深い思いが込められた贈答品についてのお話です。
お歳暮はお世話になっている人に贈る年末の贈り物
日本では、年末に、日頃お世話になっている人や親戚などに「お歳暮」という贈り物をする習慣があります。あなたのお家でも、お歳暮が届いたり、おうちの人がお歳暮を贈ったりしていませんか?
日本では昔、正月にご先祖様にお供えをする習慣がありました。お嫁にいったりして、家を出て暮らしている人達は、お正月になると、お供え物を持って、生まれ育った家に集まりました。
ところが、遠く離れて住む人は、仕事などお正月にふるさとに帰れないこともあります。
そんな時、お供え物を家に送るようになったのが、お歳暮の始まりです。
だから、もともと贈るものは、ご先祖様にお供えするお米や、お餅、魚などの食べ物でした。
やがて、生まれた家だけでなく、日頃お世話になっている会社や先生、親戚などにもお歳暮を贈るようになりました。お贈る物も、お供え物ではなく、調味料やビール、お菓子など様々になっています。
お歳暮でかつてはお魚が贈られていた!
「お歳暮」も本来、中元と同様、「年の暮れ」という時期を指す言葉ですが、
やがて贈る贈答のことをいうようになりました。
かつては、お歳暮は主として塩ザケや塩ブリなどの魚が多く贈られました。
こうした魚は「年取り肴(さかな)」といわれ、年越しの食膳には必ず出されたうえ、
塩引きなどの処理によって長期の保存ができたことから重宝されたのです。
こうしたお歳暮の習慣はやがて、日頃、世話になっている親類や上司などにも贈られるようになり、現在に至っています。
お歳暮を贈る時期は、12月上旬から25日頃までが一般的です。この時期に送ることができなかった場合は、新年になってから表書きを「御年賀」と書いて贈ります。
現在、贈答品を贈る場合は、たいていデパートや商店などで求め、包装から何から、お店のほうで行ってくれることがほとんどです。そのため、贈答品の包装の仕方も忘れられがちですが、包み方としては、慶事と弔事の場合で使い分けるのが正式です。
お歳暮とお中元の違いとは?
日本には、夏にも「お中元」という贈り物をする習慣があります。
「中元」というのは、7月15日のことです。中国では昔「三元(さんげん)」という日に神様をまつる風習がありました。
1月15日が「上元(じょうげん)」、10月15日が「下元(かげん)」、そして7月15日が「中元(ちゅうげん)」です。
また、7月15日には、ご先祖様が死後の世界で安らかにすごすことを祈る、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教の行事がありました。これは今のお盆です。
この中元とお盆の行事がいっしょになって、ご先祖様へのお供え物を、親戚や近所に配るようになったのが、お中元です。やがて、仕事などでお世話になった人へも、お中元を贈るようになりました。
まとめ
贈り物をもらうと嬉しいですね!
あなたもお世話になった人に贈り物をしてみてはどうでしょう?