あなたは日本で一番食べられている果物をご存知ですか?
そう、圧倒的にバナナが多く消費されています。年間で一世帯あたり、18kg以上です。
一番人気のあるバナナですが、実は緑色(青色ともいう)で硬いバナナしか輸入できないとう事実は意外に知られていません。
バナナは生き物です。バナナは木から切り離しても、活動し、変化していくのです。
今回は、そんな不思議な果物のバナナについてご紹介していきます。
バナナに種がないって本当?
夏のスイカや冬のミカンのように、多くの果物にはよく見かける季節がありますが、
バナナは一年中温かい南の国で育てるので、季節のに関係なく採れるのです。
ところで、バナナの種はどこにあるのだろう、と思ったことはありませんか?
バナナの実を食べる時、一口かじってからよく見てみましょう。
実の中に、黒い模様があります。今度は、バナナの実を縦半分に切ってみましょう。
真ん中に、黒い筋が見えるはずです。実は、この黒い部分がバナナの種のなごりなのです。
バナナは、大昔からそだてられてきました。もともとバナナには種がありましたが、
突然、種がないバナナができました。種がない方が食べやすいので、そのバナナが世界中で育てられるようになったのです。今でも野生のバナナには、種のあるものもあります。
種がないバナナはどうやって増えるのでしょう。バナナは、成長すると、重なった葉のてっぺんから、大きなつぼみが垂れ下がってきます。これが、バナナの花のかたまりです。
やがてつぼみの中から、バナナの房の形をした「め花」が出てきます。
このめ花の根本が大きくなって、バナナの実になります。
バナナが大きく育だつと、根本の脇から小さい芽が何本も出てきます。
この芽を育てると、また大きなバナナになります。
このようにして、バナナは種がなくても増やせるのです。
バナナはもともと東南アジアの熱帯雨林の植物で、沢山の種類があります。
バナナと長く付き合ってきた東南アジアの国では、丈夫な葉で食べ物をくるんだり、
バナナの繊維から服を作るなど、色々なことにバナナを使っています。
バナナは緑色から黄色に変わり最後に黒くなる!
産地で収穫されてたバナナは深い緑色をしていて非常に硬いです。洗浄して綺麗にした後、ビニール袋で密閉された状態でバナナ箱に入れ日本に向けて船で出荷されます。
日本に到着されたバナナは植物防疫所によって検査を受けます。植物防疫所は農林水産省の施設等機関です。ここでは害虫や病原体が日本に入るのを防ぐ役割があります。
害虫が付いていた場合、燻蒸(くんじょう)といって投薬によって害虫を駆除しなければ日本の貨物として認めてもらえません。害虫の心配がなく安全が認められれば合格とされ、日本の貨物といして出荷することができます。
この一連の流れを通関といい、税関を通過することです。通関が不合格の貨物については、主に燻蒸設備のある保税倉庫へ運ばれ投薬することになります。
バナナは緑色の状態でなければ、輸入できません。ですから、産地からは当然黄色いバナナではなく、緑色の状態のバナナが積まれます。万が一日本での検査の時に黄色のバナナが発見された場合、廃棄処分になります。
青いバナナは室(むろ)と言われる特殊な部屋に入れられ追熟を促し加工されます。
青いバナナは、むろで加工しなくてもいずれは黄色に変化していきます。
しかし、何日間でどれだけ色が変化していくのかが分かりません。バナナにも個体差があり、元気なバナナもあれば、元気がなくすぐに黄色に変化してまうものもあるのです。
バナナのむろは、色を販売予定日に合わせて綺麗にそろえる働きがあります。そして甘く美味しく仕上げることもできるのです。
スーパに並ぶ頃には綺麗な黄色をしていますが、輸送途中は黄緑色をしています。追熟が進みすぎてホシ(シュガースポット)と言われる黒い点々が出ることがないようにしています。
このシュガースポットの黒い点々が出てくれば食べごろのサインです。この頃のバナナは非常に甘く、触るとやわらかいです。
まとめ
いかがだったでしょうか?バナナに限らず、果物や野菜などの生き物は害虫のリスクがあり、収穫から私達の手に届くまでに、多くの人が関わっています。当然、スーパーに届くまでに相当量の廃棄が出ていることでしょう。そう考えると私達の手に届いたバナナは非常にエネルギーの凝縮された食べ物です。この一連のストーリー感じながら食べることが出来れば、得られるエネルギーが絶対に増えるはずです。