近年、集中豪雨による水害、土砂災害が頻発しています。
報道される災害情報での雨量は、
実際はどのようなものなのかイメージしにくいかも知れません。
しかし、他人事ではなく、雨量による影響や、
自分の住む地域の水害に対する危険度も把握しておく必要があります。
今回は、今さら聞けない「雨量」って何?や、浸水について詳しくご説明致します。
局地的大雨が増えた理由
発生件数が年々増加している突発的・局地的な豪雨。
地球の温暖化やヒートアイランド現象が原因の一端ではないかといわれています。
テレビで、平均30度を超すメキシコで、
とてつもない量のひょう(雹)が降り、最大で2m積もったニュースが流れました。
そして、インドでは最高気温が50℃を超えたり、
地球規模で異常気象が増えているようです。
大雨をもたらす積乱雲の発生は予測が困難だといわれています。
温度の上がった空気が上昇気流となり、積乱雲が急速に発達します。
ただある程度発達してくれば雲を観察することで、ある程度は予測がたちます。
雲の種類もいろいろあるようで、
数時間後に雨が降る「高層雲」
雨が降ったり雷が発生したりする「乱層雲」
雷をともなう短時間の大雨が降る「積乱雲」
私の住む栃木県は山が多く、夏は夕方に雷が鳴ることが日常茶飯事です。
親からは「よく雲を観察しなさい」と教わってきました。
雲が分かれば、ある程度の備えが出来ますので、是非覚えてみて下さい。
水害が起きる時の降水量
降水量とは一定の時間にたまった雨水の深さをミリ(mm)で表したものです。
1時間あたりの降水量が少なくても、長時間降り続けると被害は大きくなります。
2018年の西日本豪雨では、
高知県などで11日間で1000mm(1メートル)超の降水量を記録しました。
2019年九州南部を襲った雨の被害は8日間で1000mmを超えました。
何ミリといってもイメージがわきにくいかもしれません。
一般的に雨量ごとの体感イメージは以下の通りです。
・20〜30ミリ
どしゃぶりの状態で傘をさしていても濡れます。
地面に水たまりができ、家の中に居ても音で雨が降っていることに気付きます。
車のワイパーを速くしても見づらいレベルです。
予報では「強い雨」という表現。
・30〜50ミリ
バケツをひっくり返したような激しい雨。
道路が川のようになります。
高速走行時、車輪と路面の間に水膜ができてブレーキが効かなくなる、
「ハイドロプレーニング現象」が起こることもあります。
予報では「激しい雨」という表現。
・50〜80ミリ
滝のように降り続け、傘は役にたちません。
視界が悪くなるほどの水しぶきが上がり、
一面が霧のように白っぽくなります。
車を運転することは非常に危険になるレベル。
予報では「非常に激しい雨」とういう表現。
・80を超える雨
雨にあたるとかなりの痛みを感じる滝のような雨。
まともに息をすることができず、息苦しくなる。
強烈な圧迫感があり、恐怖を感じる。
予報では「猛烈な雨」という表現。
浸水して歩けない状態になるのはどれくらいの水位の時?
洪水が起こると、排水路や下水管の処理能力が限界に達してしまうことがあります。
そうなると市街地や自宅などが水で覆われていまいます。
これを浸水といいますが、成人男性でも膝の所まで水が深くなると歩けなくなるので、
そうなる前に避難する必要があります。
氾濫した水の流れは勢いが強いため、大人でも膝程度の深さで歩けなくまります。
避難所などに行くのが困難な場合、近くの高い建物まで避難しましょう。
水位が増してくるとマンボールの蓋が浮いてくることがあります。
水が濁り足元の状態を確認すること困難にまります。
マンホールの穴や、用水路に落下することがないように、
閉じた傘や、長い棒で足元を確認しながら移動するようにしましょう。
車は10センチの浸水でドアが開かなくなります。
車内には脱出用のハンマーを常備しておきたいです。
もし、ドアが開かなく、ハンマーがない場合には、
小銭が役に立ちます。小銭を全部ビニール袋に入れ、
小銭の入った袋を窓ガラスにあてて、肘を使い叩きます。
怪我をする恐れがありますが、緊急処置として覚えておくといいでしょう。
家のドアは20センチの浸水で開かなくなります。
特に地下室がある場合は注意が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
自分にもいつふり掛かってくるか分からない自然災害。
日頃から身の周りの環境に関心を持ち、
情報や知識を得ていれば、いざという時の判断基準になります。
災害時に出来ないことを知っておくと、
今やるべきことが見えてきます。